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  2007年 05月 01日
『夜のピクニック』読了
『夜のピクニック』読了_b0014459_12294983.jpg2004年に発表された恩田陸の作品で、第2回本屋大賞受賞作。(ちなみに第1回受賞作は『博士の愛した数式』、第3回は『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』だったそうですが、意識しないうちに全部読んでますね。第4回は『一瞬の風になれ』という作品の様ですが、これは未読)
 ある高校の歩行祭という全校生徒が80kmを歩くという行事の中での高校生の心の機微をとてもうまくとらえた作品。事件といえる事件は起きず、一見淡々と進んでいくプロットですが、高校生ならではの微妙な心の動きが見事に描かれています。すれっからしの大人からすれば、「そんなこと、たいしたことないじゃん。悩むに値しないよ」なんて思うことも、彼らにとっては凄く重要なことなんですよね。
 映画化もされたみたいですが、知りませんでした。でも、こういう内面の微妙な「揺れ」を描写した作品はやっぱり「文字」で追っかけて、自分の内面で租借した方がずっと楽しいはずです。逆に、映画にしちゃうととんでもなくつまらない作品になりそうな気がしますが、映画版の出来はどうだったんでしょうかね。

 私も昔ボーイスカウトなるものに所属していて、そこで毎年こういうただ歩くというイベントがありました。クリスマスの夜に60kmを歩くというものでした。軍隊の行軍でもないのですが、荷物もなんだかんだといろいろとたくさんもって歩くこのイベントは辛かったですねぇ。そういうこともこの作品に惹かれた理由の一つです。

《Today's Music》
Avalon / Voice of Life ('77)『夜のピクニック』読了_b0014459_12314751.jpg

77 年の作品ですから、今から30年も前の作品になりますね。Styxを思い出させるカナダのプログレハードです。高音のヴォーカル、キャッチーなコーラス、キラキラしたキーボードとこの手の音が好きなら結構いけると思います。でも、「古い」ですよ、先にいっておきますが。(ジャケットのチープさもまた「いかにも」ですよね)
 ギターの軽いカッティングで始まる"Celebration Day"(Zepの曲とは同名異曲)からいかにも70年代のプログレハードという感じが全開です。続く"Mother Russia"(このタイトルもIron MaidenとかRenaissanceにありましたね。でも当然別の曲)は途中からテンポがあがってキーボードとギターがメインになる部分がカッコイイです。3曲目の"Lady of My Dreams"は胸を締め付けられる美しいバラード。ピアノがメインであるのと分厚いコーラスということもあってQueenっぽい所もあり。"Say You're Sorry"はしっかりとロックした曲です。ギターソロのハーモニーがよろしいですね。タイトルトラックの"Voice of Life"は遊園地でかかっていそうな穏やかなイントロの後に力強いコーラスが入ってきて、その後はめまぐるしい展開をしていくプログレバンドの面目躍如という感じで、タイトルにするだけはあります。4分ちょっとの曲ですが、盛りだくさんです。"Land of Mordor"もギターのカッティングから始まります。このアルバムは割とこういう入りが多いです。タイトルや歌詞からして『Lord of the Rings』の場面を下地にした曲でしょう。勇ましい曲調で、このアルバムの中ではもっともアグレッシブです。"Shadowcaster"という1分足らずの小曲がありますが、遊び心もみられてこれなんかはまさに初期のQueen。"Maranatha"はこのアルバム唯一の10分を超える大作。一度静かになってからベースとギターがユニゾンで入ってきて、さらにギターソロが盛り上がってくるあたりはこれまたプログレの醍醐味ということでしょうか。ラストの"Silver Bullets"はちょっとThin Lizzyっぽいツインギターで始まり、各楽器がそれぞれ活躍するインスト。
 私の持っているCDは Pacemakerからの再発ですが、音質的にはイマ一つ。このあたりは時代的にもしょうがないのでしょうかね。今は多分廃盤なので、中古ショップやオークションなどでしか入手できないのではないでしょうか?クォリティは結構高い作品だと思うので、チャンスがあれば是非。
 あと、ちょっと調べてみるとこのバンドのリードヴォーカリストはRefugeeにも関わっているようです。『Affairs in Babylon』はMTM Classixからわりと最近再発された奴で、そうとは知らずに購入してました。そのアルバムはEric Martinもやっている"These are the Good Times"が収録されてます。こちらもおすすめ。プログレハードというよりはシンプルでキャッチーなハードロックです。
 ところで、このCDをiTunesに入れて曲名の自動取得をするとSteve Hackettの『Darktown』と表示されます。最初の3曲位はそのアルバムからのクレジットで、それ以降は正しいクレジットになるので注意です。同じプログレということで、最初にCDDBに登録した人が何かの拍子に混同しちゃったんでしょうね。
by noblame | by don_t_blame_me | 2007-05-01 12:33 |
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